レアメタルを使わない太陽電池が発売されるかも…

オレンジエコ

2010年10月25日 20:00

こんばんは。太陽光発電のオレンジエコ更新担当のトヨシです。

今日は業界にちなんだちょっと気になる話題をご紹介します。

現在、市場に出回っている太陽光モジュールの主流はシリコン型太陽電池、つまりシリコンから作られた太陽電池ですが、実は世の中には色々な太陽電池があります。

例えば、高効率化合物半導体…漢字がなにやら多いですが…
これはなにかというと、ガリウムヒ素と呼ばれる特別な化合物半導体の基盤を使った超高性能(変換効率:30~40%)太陽電池です。
しかし、現在はコストが非常に高いため宇宙などの特殊な用途に使用されています。

その他、薄膜系シリコン・有機物系などいろいろありますが、詳しい説明についてはオレンジエコの太陽光発電の仕組みをご覧下さい。

今日は化合物系の中でも高性能化が期待されているCIS太陽電池についてのお話です。
…そもそもCIS太陽電池って何よ?

…はい。CIS太陽電池とは、C:銅(Copper)・I:インジウム(Indium)・S:セレン(Selenium)の頭文字をとって名づけられました。

この太陽電池の最大の特徴は影に強く、一枚あたりの電圧が高いため最低3枚からシステムを構成することができます。

しかし、この太陽電池の最大の欠点は今話題の「レアメタル」を原料としている点です。
ご存知のように、現在レアメタルの生産国は主に中国となっており、おおよそ90%のシェアを占めています。

先日の事件で、一時レアメタルが中国から輸入できない事態となっていたように、この太陽電池は将来的に生産すること自体が困難になる可能性があります。

それを見越してか、このCIS太陽電池を販売しているソーラーフロンティアはアメリカのIBM社と新型の太陽電池を共同開発することを発表しました。

 IBM社の太陽電池はCZTSと呼ばれるもので、銅・亜鉛・スズ・硫黄・セレンを使用した薄膜太陽電池セルを開発しています。
この技術をベースにソーラーフロンティアの薄膜生成技術・製造技術を活用し、競争力のある太陽電池技術を開発する様です。

レアメタルを使わないため材料の入手が容易、かつ安価な材料を使用することで価格を抑えられ、将来的には化石燃料による電力を下回るコストを目指すと同社は発表しています。

しかし、シリコン系の太陽電池が数年前と比較すると価格もぐっと安くなり、かつ性能も上がってきているので、数年後の市場に見合った商品ができるのかは個人的には「?」ですね・・・

では今日はこの辺で~

引用元
ソーラーフロンティアとIBM、CZTS太陽電池の共同開発で合意
(ソーラーフロンティアプレスリリース)

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